茂原に創業したのが昭和53年と言いますから、30年以上にわたる人気の蕎麦店がこちら「蕎麦奉行」です。それでありながら実は今回が初訪です。理由にはいくつかあって、まず茂原という街はプライベートで来ることがほとんどない街であるということが挙げられます。仕事で来る場合の大半は飲食店の取材であったり、ラーメン店の試作であったり。仮に仕事でなかったとしてもラーメンを食べに来ることがほとんどなので、それ以外に何かを食べるというお腹の余裕がないのです。 またもう一つの理由としては、外観がかなりの大箱で正直美味い蕎麦を出しそうな雰囲気がないのです。蕎麦店というよりも和食のファミリーレストランのような雰囲気でスルーしていたこともありました。この日は茂原に所用があり昼食に蕎麦を食べたくなりこの店を思い出し来てみました。水曜ではなかったらきっと「じつかわ」に行っていたかも知れませんが、水曜はじつかわの定休日。というわけでこちらへ寄せて頂きましたが、何事も喰わず嫌いはいけないというか、やはり一度は行かなければいけないということを再認識しました。こちらのお店は見た目と違い、実に本格的なお蕎麦を出しておりました。 門構えは実に立派です。しかし入口の自動ドアで一瞬テンションが下がるのですが、入るとすぐに蕎麦打ち場がありちょうど水回しをやっており期待感が高まります。入口で履物を脱いで板張りの店に入ります。店内はかなりの大きさ天井が高い吹き抜けの空間には大きな醤油樽が飾られていて、その下にテーブル席、掘りごたつ的な席もあり、さらにはいくつか小さな中庭を望める座敷の個室も用意されていました。その中庭には池があって合鴨がたたずんでいます。 メニューはもっと色々と和食メニューもあるのかと思っていましたが、蕎麦が主軸のしっかり蕎麦屋のメニューになっていました。この日いただいたのは先輩諸兄が勧める「桜海老と玉葱の天そば(写真)」(1,680円)。白くて艶やかな蕎麦の横には、大きな桜海老と玉葱の掻き揚げ。季節柄ふきのとうの天婦羅も添えてありました。蕎麦は石臼挽き自家製粉による二八で若干風味に乏しいところもありますがしっかりと冷えて喉越しも良く美味しい蕎麦です。つゆは甘めでまろやかな味わいで角がありません。そして大きな掻き揚げは非常に風味がよく、油切れもしっかりされていてしつこさがありません。天つゆの他に塩、レモンも添えてあり二種類の味が楽しめるのも嬉しいです。個人的には塩とレモンで食べるのが桜海老の風味が引き立って圧倒的に美味しかった。この掻き揚げの天丼もきっと美味しいでしょう。また蕎麦湯は蕎麦粉を溶かしてあるとろっとしたもので、マイルドなつゆがさらに柔らかになりました。 一品料理などもそばがきや板わさ、出汁巻玉子と蕎麦屋の一品をしっかりと揃えており、蕎麦屋の基本を外していないお店でした。接客もしっかりとしておりストレスは一切ないので、地元の家族連れを中心に多くの人に愛されているのも分かります。普段使いも特別な時にも使える便利なお店ではないかと思います。いい蕎麦を出していながら混んでいてもすっと入れる箱の大きさもいいものです。やはりお店は一度は足を運ばなければ分からないものですね。また別のメニューを食べに来てみたいと思わせるお店でした。
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