中国を舞台にした歴史小説を数多く発表してきた小説家の陳舜臣さんが、21日朝、老衰のため神戸市内の病院で亡くなりました。90歳でした。 陳舜臣さんは神戸市出身で、当時の大阪外国語学校を卒業後、ヒンズー語の辞典の編さんなどに携わりました。 40代になってから本格的に執筆活動を始め、神戸を舞台にした推理小説「枯草の根」で昭和36年に江戸川乱歩賞を受賞したほか、昭和44年には「青玉獅子香炉」で直木賞を受賞しました。 陳さんは中国を舞台にした歴史小説を数多く執筆し、「阿片戦争」や「秘本三国志」、「諸葛孔明」などの作品で知られました。 また、東西の文化の交流の道を描いたNHKの番組「シルクロード」の現地取材に携わり、昭和60年にはNHK放送文化賞を受賞したほか、日中間の領土争いに翻弄された琉球王朝の姿を描いた「琉球の風」は、平成5年にNHKの大河ドラマで放送されました。 陳さんの作品は、日本やアジアの人々の交流を世界史的な視点で見つめ、異なる文化や背景を持つ国や人どうしが、お互いを受け入れ、共に生きようとする姿を描いて多くのファンを魅了しました。 また、ふるさとの神戸市への思いも強く、平成7年の阪神・淡路大震災の際は被災者を勇気づける文章を発表し、復興への希望を捨てないよう呼びかけました。 陳さんは去年11月に体調を崩し、神戸市内の病院に入院していましたが、21日午前5時46分、老衰のため亡くなったということです。 「『友好な日中関係を』と言い続ける」 陳舜臣さんの長男で写真家の陳立人さんは「入院したあとも呼びかけなどにしっかりと答え、最後まで日中の友好について気にかけていました。最近、日中関係が悪化しているといった話に接するたび、ささいないさかいは越えて、友好な関係を保ってほしいとずっと言い続けていました」と話していました。 「陳さんの文学これからも伝えたい」 亡くなった陳舜臣さんの出身地、神戸市では、蔵書やゆかりの品などを展示する施設「陳舜臣アジア文藝館」が去年、設けられました。 日本と中国をはじめとするアジアとの友好活動に熱心だった陳さんの思いを受け継ごうと、家族と地元の有志が中心となって運営する施設で、執筆に使っていた机やいすのほか、所蔵する資料などおよそ3000点が展示されています。 館長の田中保三さんは「陳さんは懐の深い方で、私たちは、形あるもの、ないものをたくさん頂きました。もう会えないと思うと、とても残念ですが、ここにはゆかりの品が多く残され、まだ近くにおられるような気がします。陳さんの文学をこれからも伝えていきたい」と話しています。
keen danner onitsuka and1 dc トリッカーズ パトリック dr martin briefing vanz newbalance poter porter